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矯正治療を始める前に気を付けたいこと
~相性の良い医院を見つけるための心得~

今回はいつもと趣向を変えて、これから歯の矯正治療をはじめようと考えている方に向けて、いくつかの注意点・心構えをお伝えいたします。

矯正歯科に通うことは、虫歯や歯周病の予防はもちろん、歯並びを整えることで笑顔に自信が持てるようになるなど、さまざまなメリットがあります。しかし一方で、従来の矯正歯科の中には治療を必要以上に長引かせる方法をとる医院が多く、そうでなくても医院との相性が合わず、患者さまが満足いく治療ができないというケースが起こることがあります。

そのような事態を回避するためには、事前にどのようなことを注意し、あるいは心得ておいた方が良いのでしょうか。

今回はうえの矯正歯科の治療方針を交えながら、皆さまがより良い治療を受けるために、いくつかのポイントをアドバイスさせていただきます。当院とご縁があれば何よりですが、今回のコラムをきっかけとして、皆さまが理想の矯正歯科とめぐり合えることができたならば幸いです。

目次
POINT:1 拡大を続ける歯科矯正市場、なかには悪質なクリニックも……
POINT:2 これから矯正治療を受ける方々に知ってほしい注意点・心構え
POINT:3 うえの矯正歯科の取り組み
まとめ

POINT:1
拡大を続ける歯科矯正市場、なかには質の悪い医院も……

現在歯科矯正は世界規模で流行中です。市場の規模を見ても、現在歯科矯正市場は2022年から2030年にかけて、平均成長率(CAGR)10.8パーセントで推移すると予測されています。CAGRとは一定期間における売り上げや営業利益から導き出された1年間の平均成長率のことです。10.8パーセントという数値を聞いてもピンと来ないと思いますが、ノートパソコン市場の2021年から2027年にかけてのCAGRが10.6パーセントなので、かなり順調な成長率ということをご理解いただければと思います。

日本でも女性の方を中心に、初診患者数が2017年の800人から2020年には2900人と、3倍以上に増加しています。とは言え、ブームの裏には影がつきものです。最近でも、とある矯正歯科が〝実質無料〟という触れ込みで金銭トラブルを起こしただけでなく、あごが外れたり歯が抜けたりなど健康被害が発生した事例もあります。以前より身近な存在になりましたが、歯科矯正にはまだまだ高額というイメージが強いです。だからと言って、安易に〝無料〟や〝格安〟という売り文句を信用してしまうのは要注意です。

また、たとえ悪質な矯正歯科ではなくても、方針や費用が合わず、納得が行く治療が受けられないこともあり得ます。そのような事態を回避するためにも、事前の情報収集がとても大切になってきます。その一環として、これから歯の矯正治療を受けようと考えている方は、次章で紹介する注意点と心構えを矯正歯科探しにぜひお役立てください。

POINT:2
これから矯正治療を受ける方々に知ってほしい注意点・心構え

~歯の矯正治療には時間がかかる!~

まず覚えておいていただきたいポイントは、通常の虫歯治療とは違って、歯の矯正治療にはどうしても年単位の時間がかかること。そのため、今がはたして治療をはじめる適切なタイミングであるかどうか、見極める必要があります。

具体的な治療期間は医院によって異なりますが、うえの矯正歯科ではお子さまで1年~1.5年、大人の方で2年~2.5年ほどの期間に、月1回程度の通院をお願いしています。お子さまがこの期間に受験を迎える場合は、治療中の痛みが勉強の妨げになることも含めて、ご本人の負担となりかねないので注意してください。

当院では子供の頃矯正治療をしたくてもできなかった大人の患者さまが多いです。矯正治療を受ける最良のタイミングは必ず訪れます。決して焦らず、そのほかのライフイベントと兼ね合いをみて、ご自身ならびにお子さまが治療を受けるタイミングを見計らってください。

ちなみに治療時間を無理に短くすると、歯が抜けたり折れたりするリスクが上がります。矯正治療を受ける上で大切なのは、治療を短くすることではなく、治療を長引かせないことです。そのためにも患者さまには治療に積極的に参加していただき、ご自宅でもセルフケアもおこなっていただければと思います。この意味でお子さまが治療に乗り気ではない場合は、上記でも述べたような「矯正治療を受ける最良のタイミング」とは言えません。また、口の中に未治療の虫歯が多い場合も、先にそちらの治療を優先する必要があります。

~転院は極力避けよう!~

上記のように歯の矯正治療中には長い時間がかかります。そして、できればその期間は遠方への引っ越しを避けていただいた方が良いです。治療期間中に定期的な通院がままならない距離に引っ越しをしてしまうと、治療のスケジュールに支障をきたしてしまうほか、装置が外れた時に遠いとすぐに来院が難しいなどの問題が起こります。

以上のことから、矯正治療を検討中で近々転勤や結婚などを理由に引っ越しが予想できる方は、住まいを移してからアクセスが容易な矯正歯科を探していただいた方が、後々のトラブルを回避できる可能性が高まります。

「転院をすれば良いのではないか?」とお考えの方もいると思いますが、歯の矯正治療は1つの医院で完結させるのが理想です。というのも、医院によって治療方針が異なり、転院によって治療費の増額、治療スケジュールがさらに長期化するリスクが上がってしまうためです。どうしても転院が避けられない場合は、それまで通っていた医院に診療内容・治療費などを記した紹介状を書いてもらうか、可能ならば転院先の医院も紹介してもらいましょう。

また、なかには治療を受ける医院への不満から、転院を考えている方もいらっしゃるでしょう。この場合はまず治療中の医院と相談して、ご自身が抱える不満の解消法を探ることをおススメします。この件に関する根本的な解決方法は、最初の段階で医院とのミスマッチを避けることです。決め打ちするのではなく、まずはいろいろな医院で話を聞いてみてください。ひとえに矯正歯科といっても、医院によって費用や使用している矯正器具の材料までさまざまです。多くの矯正歯科に話を聞くことで、治療中にトラブルが起こるリスクは減ります。必ずあなたと相性が良い矯正歯科が見つかるはずです。

~治療内容や料金形態で費用が変わる!~

つぎに心得ておいていただきたいことは治療費についてです。
医院や治療内容によって当然かかる費用が変わってきます。とくに盲点となりやすいのが調整料です。調整料とは治療中に矯正治療の調整にかかる費用のことで、相場は税別で約3000円~1万円ほどです。最初に治療総額を決めるトータルフィー制度を導入する医院では基本的に調整料はかかりませんが、そうではない医院だと、毎回の診療で調整料が発生します。その結果、当初想定していた金額よりも多く治療費がかかってしまうこともあります。

矯正治療の期間はおよその予想なので、前後することが必ずあります。患者様のご都合で長引くのは仕方ありませんが、医院のテクニックや診療計画で治療期間がのびた場合に、その費用面と期間の面で患者さまに負担をかけたくない思いから、当院はトータルフィーシステムを導入しております。

ちなみに歯科矯正は基本的に保険の対象外ですが、以下のように生まれつき口の中に異常があるなどのケースは例外的に保険が適用されます。

矯正治療で保険が適応されるケース
・手術が必要なレベルの顎変形症(あごの形やバランスが著しく悪く、噛み合わせや顔の形に悪影響を与えている状態のこと)。
・「厚生労働大臣が定める特定の疾患によって、生まれつきお口の中に異常がある。
・永久歯のうち6歯以上が先天性欠如(もともと歯がないこと)で、噛み合わせに異常がある。

また、お子さまの矯正治療などは医療控除の対象となり、年度末の確定申告でいくらかお金が戻って来るケースが多いです。これは子ども向けの矯正治療が、適切な成長をするために必要な治療だと認められるためです。最終的には税務署の判断にはなりますが、お子さまの年齢が小学校~中学校なら、適切な成長に必要な治療とみなされる可能性が高いです。

大人の患者さまでも、見た目を改善する美容、審美目的は除きますが、噛み合わせや歯並びが咀嚼・滑舌に与える悪影響などの改善(機能回復)を目的とする場合は、医療控除の対象となり得ます。

医療費控除のシミュレーションはこちらになりますので、参考にしてみてください。
https://smile-32.com/kojo-simulation/

~患者さま自身の積極的な協力~

先ほども少し触れましたが、矯正治療を円滑に進めるには、患者さま自身の積極的な協力が欠かせません。

とくに治療中は多少ではありますが、カリエスリスク(虫歯のなりやすさのこと)が上がります。せっかく歯並びをきれいに整えても、虫歯ができてしまってはもったいないですよね。そのためにも当院では患者さまに普段からのプラークコントロールをお願いしています。

「プラークコントールという言葉を聞いたことはあっても、具体的にどのような意味なのかよくわからない」という方もいらっしゃるかもしれませんね。プラークとは歯についたバイキンのこと。つまり、プラークコントロールとは、歯のバイキンを取り除きお口の中を清潔な状態に保つことで、これによって虫歯や歯周病を予防します。

プラークコントロールはまず正しい歯磨きの方法を実践していただくことが基本となります。それに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを使って細かいところに磨き残しが残らないようにすることも重要です。そのほかにもご飯を食べる時によく噛んだり、間食の回数を減らしたりと、日常の何気ない習慣の改善もプラークコントロールに含まれます。

とは言え、小さいお子さまだと自発的にプラークコントロールをおこなうのはなかなか難しいですよね。そのためお子さまの治療を目的に矯正歯科を探す場合は、ブラッシングの指導などがしっかり行われている医院かどうかも重要なポイントです。当院では患者さまが小さいお子さまであれば、その親御さまに対してもしっかりブラッシング指導を行なっております。

POINT:3
うえの矯正歯科の取り組み

~万全な情報共有とサポート体制~

前章の内容をおさらいすると、以下の3点を心得ておくことが、矯正治療を円滑に進めるうえで重要となります。

① 治療期間と、その期間に起こりうるライフイベントを考慮する。
② 治療で最終的にいくらくらいの費用がかかるかを把握する
③ 治療中のお口の管理と情報共有

世の中にはたくさんの矯正歯科があり、治療方針や治療内容はさまざまです。そして、「POINT:1」でも少し触れましたが、なかにはお金儲けが本意の矯正歯科が存在することも悲しい話ですが事実です。

一方で、上記3つの注意点・心構えをお客さまと積極的に共有することこそが、矯正歯科としてすべき良心的なふるまいであると当院では考えています。

前述したように、歯の矯正治療には年単位の長い治療時間が必要となり、治療中に引越しがあって転院があったり、結婚で一時装置を外すご希望が出たり、出産などで一時治療のお休みになる可能性があります。当院では、あらかじめ治療期間に起こりうる引越しなどについて患者さまとしっかりお話しし、もし患者さまが妊娠・出産や留学などする場合も、しっかりサポートしていきます。

治療費についても先ほどお話ししたように、契約料金+調整料金の費用体系であれば、最終的にいくらの費用がかかるか最初予測が立ちにくいことが考えられます。その場合には医院にあらかじめ治療期間とおおよその最終的な費用がどのくらいかかるか確認しておいても良いでしょう。当院ではトータルフィー制度を導入していますので、最初の段階で治療が終わるまでのすべての費用がわかり、途中で調整料など追加費用が発生することもありません。安心して治療に専念していただけます。

そして、矯正治療がスタートしても、これからどうなっていくのか、トラブルが起こったらどう対処すれば良いか不安をお持ちの方が多くいらっしゃいます。その時に矯正のドクターが常駐している医院であれば対応は早いでしょうし、事前にしっかり説明してもらえるとその不安は解消されます。当院では装置装着した際には、装置の目的や管理方法、トラブルの際の対処法などをしっかりご説明しております。また、ご家庭に帰ってからでも内容がおさらいできるように、装置の説明用動画もご用意しておりますので、ご家族での情報共有もしやすい環境を整えております。

~理想は矯正治療をする必要がないこと~

お子さまにとって本当の理想は、矯正治療の必要が生じないことです。そこでうえの矯正歯科は矯正治療が必要ない子どもたちを増やしていくことを目的に、医院という枠内にとらわれず、地域の保護者の方に向けてお子さまのお口の健康を守る講演活動を精力的におこなっています。

その1つが市役所で実施する『マタニティ講演会』です。
歯並びが悪くなってしまう(不正咬合)原因は、親の遺伝子を引き継ぐ「遺伝要因」、生まれつきの歯の数による「先天的要因」、そして指のしゃぶり癖などが影響する「環境要因」の3つが考えられますが、近年の研究でとくに3つめの「環境要因」が大きく関わっていることがわかってきています。

歯並びが悪くなる環境要因
指しゃぶりや爪噛み、舌癖、歯ぎしり、片噛み、頬杖、うつ伏せ・横向き寝、姿勢、呼吸、噛み方・飲み方など

この「環境要因」はお子さまが1歳になるまでが、今後を左右する重要な時期。そのため、『マタニティ講演会』ではこれから出産を控える方々を対象に、小児科医や子育ての先輩ママとパパの経験談を交えて、生まれて来る赤ちゃんの歯の健康を守る方法について情報を共有させていただいています。

また、院内では定期的に『赤ちゃん姿勢教室』というものを開催しています。
上でもご紹介しましたが、赤ちゃんが正しい姿勢であるかどうかは、将来の歯並びを決める重要な「環境要因」です。まだ軌道修正がしやすい早めの時期から、不正咬合を未然に防ぐための知識を、姿勢はもちろん、ハイハイの仕方、母乳の飲み方や離乳食の食べ方など広い視点でレクチャーしてまいります。

まとめ

ひとえに矯正歯科と言っても、治療方針や治療内容、さらに費用などそれぞれの医院で特徴はさまざま。「どこで治療を受けて一緒」ということはあり得ません。これは同時にしっかりと探せば、あなたとの相性が抜群の医院が見つかる可能性が高いということでもあります。まだまだ費用が高いというイメージが強い歯の矯正治療ですが、それゆえに妥協せずに理想の矯正歯科を探してみましょう。

うえの矯正歯科はお子さまの矯正治療と、成人の方の目立ちにくい矯正治療を得意としています。不安を取り除き安心して通える矯正の歯科医院であるために、医院全体で取り組んでおりますので、ご興味がある方はぜひ一度お問い合わせください。