子どもの矯正歯科
- KODOMONOKYOUSEI -
子どもの矯正はいつから?
- WHEN? -
お子さまに合わせた最適な時期
装置を使った矯正を開始する時期は一律ではなく、お子さまに合わせて最適な時期を見極めることが必要です。
その時期を見極めるために、まずは歯並びを悪くしている原因を把握しなくてはなりません。現代の子ども達の歯並びが悪くなっている原因は遺伝的な要素だけでなく、食習慣や生活習慣、癖なども関係し複雑化ています。直ちに装置を使った矯正をはじめるのではなく、歯並びを悪くしている原因を把握し事前に改善できれば矯正の期間を適正にすることができます。
ただし、症状によっては直ちに矯正する場合や、顎(あご)の成長を利用できる永久歯への生えかわりの時期にはじめる場合もあります。
お口の個性や状態、また成長度合いによって開始時期を見極め最適な矯正期間にします。少しでも気になる場合は早めにご相談ください。お子さまと親御さんのご負担を軽減することができます。
一般的な矯正治療の考え方
歯並びのズレは、一般的に幼稚園や保育園に通う頃(3歳~4歳)から始まります。小学校に入り、さらにズレていってしまった歯並びは、大抵の場合、「大人の歯に生え変わったら改善するんじゃないか?」「歯磨きが心配だからもう少し様子みよう」などという理由でそのまま放置されてしまいます。放置されたことによって、歯並びはどんどんズレていき、13歳頃を迎えると歯や顎の成長が終わってしまいます。
つまり、歯並びがズレたまま顎の形が完成してしまうのです。
矯正治療を行う人は、成長が終わった13歳以降に成人矯正治療を行うという人が多数を占めています。もちろん、そこからでもきちんと矯正治療をすれば、正しい歯並びに治療することができます。
次は、子どもの頃から矯正治療を行った場合を考えてみましょう。
子どものうちから矯正治療を行う場合(第Ⅰ期治療)、大体小学校低学年の頃から始める人が多いです。子どもの成長に合わせながら矯正器具を調整し、正しい歯並びになるように治療していきます。子どもの顎の成長を促した治療を行うことによって大人になってからの治療を簡単にしたり、抜歯を回避することができるというメリットがあります。
しかし今までの矯正治療は、ほとんどの方が子どもの頃に矯正治療を行った後に大人になってからもう1回矯正治療(第Ⅱ期治療)を行うため、治療期間が長くなったり費用が大きくなるなどのデメリットもあります。
ではなぜ2回に分けて矯正治療を行うことが多いのか?
それはほとんどの子どもの矯正治療が形を整えるだけで歯並びが悪くなる原因を取り除けていないからです。
うえの矯正歯科が考える
矯正治療のありかた
うえの矯正歯科では、「矯正治療は大人になってからではなく、子どものうちにするのが良い」と考えています。ただし、その矯正治療は歯並び改善だけでなく歯並びが悪くなる原因(機能)の改善が必要だと考えています。
機能の改善として例として挙げられるのが「舌の位置」や「姿勢」「口呼吸」などです。これらの環境を整えることによって正しい成長発育を促し大人の矯正治療が必要ない子どもたちを増やしていきたいと考えています。
現在の矯正治療では、成長期の歯並びの治療や発育に対して、明確な考え方がありません。そのため形態的(歯並び)な改善を目的とした治療が多く、機能的な改善があまり行われていません。
うえの矯正歯科では、子ども矯正治療は形態的な改善を目的とした対症療法ではなく機能的な改善も含めた原因除去療法を行うべきだと考えています。
乳歯の時期に検討する場合
写真は乳歯の時期の理想的な歯並びです。
歯と歯の間に隙間があり見た目は悪く思われますがこの隙間が大切です。永久歯は乳歯よりも横幅が大きいため隙間がないと歯と歯が重なるように生えてきてしまうからです。
永久歯が生えてくる6歳頃までに歯と歯の間に隙間があることが理想です。もしもそうでない場合は、歯の並ぶ土台である顎の成長をサポートする矯正を検討することがあります。
すでに歯並びが悪い場合
実はご相談にいらっしゃるお子さまの多くが永久歯への生えかわり最中で既に歯並びが悪くなっている状態です。成長期を利用できる貴重な時期である場合は、歯の並ぶ土台である顎の成長を助けたり抑制する矯正を直ちに検討します。お子さま本来の健やかなお口の成長をサポートしキレイな歯並びへ導きます。
どうやって矯正をするの?
- HOW? -
乳歯列の時期
乳歯の時期はキレイな永久歯列を目指すためにお口全体を考えて矯正をします。
具体的には写真のような取り外しができるトレーナー装置を使うことがあります。歯の並ぶ土台である顎の成長を助ける、また舌を正しい位置へ誘導する、お口の周りの筋肉をトレーニングするなど症状に合わせて検討します。
歯医者さんを怖がったり、お口の中に装置を入れることができないお子さまもいらっしゃいます。早い時期からコミュニケーションをとらせていただくことと、歯ブラシを利用してお口の中にものが入る感覚に慣れてもらうこともこの時期は大切です。
永久歯への生えかわり最中
永久歯へ生えかわっている時期はまだまだお子さまの成長を利用してお口の環境をダイナミックに改善できます。
歯を積極的に並べる矯正装置を使う前に、歯の並ぶ土台である顎の状態やお口の周りの筋肉も考慮した機能的矯正装置も使って矯正をします。まずはお口の環境を良くすることが重要な時期です。
永久歯列が完成している
13歳過ぎると永久歯への歯の交換が落ち着き、ほとんどの場合はおとなと同じ矯正を選択します。
歯の並ぶ土台と歯の大きさのアンバランスから歯並びが悪くなっていることが多いため、歯を抜いて矯正をしなくてはならないことがあります。
最近は新しい矯正法があり、歯を抜かずに矯正できるケースが増えました。ご相談の上、最適な矯正をご提案します。
早めにみせて欲しい症状
- EARLY -
前歯が前に出ている
前歯が前に出ている症状は、上顎に対して下顎が小さいことにより起こることがあります。早い時期から顎の成長をサポートしたいケースです。
前歯が反対に噛んでいる
上下の前歯が反対になっている症状は遺伝的な要素だけでなく一過性である場合もあります。
いずれの場合も早い時期から見守り成長のサポートをしたい症状です。
歯と歯が重なり合っている
凸凹している歯並びは歯の並ぶ土台と歯の大きさのアンバランスから起きています。
成長期を利用した矯正を開始する時期を見極めるためにも早めに見守りたい症状です。
歯の萌出(ほうしゅつ)異常
萌出異常は乳歯の虫歯など様々な原因があります。交換する永久歯が正しい位置にはえてこなかったり、途中で止まってしまうことがあるため早めに管理したい症状です。
1期矯正と2期矯正
- PHASE -
1期矯正とは?
乳歯だけ、または永久歯へ生え変わっている最中の矯正で、5歳から10歳頃の時期が目安です。
お子さまの成長を利用して歯の並ぶ土台である顎の成長をコントロールし、これから生えてくる永久歯がキレイに並びやすいよう環境をつくることが大きな目的です。
2期矯正とは?
全ての歯が永久歯になった時期の矯正で、12歳以降の時期が目安です。
1期矯正で正しいお口の環境へ導き、永久歯の歯並びで気になるところがなければ2期矯正は必要なくなります。ですが後から生えてきた永久歯がズレて生えてきたなどがある場合、永久歯がそろう13歳頃から1歯1歯をコントロールする2期矯正をご提案します。1期矯正でお口の環境を整えていると、成人矯正からはじめて矯正をするケースよりも抜歯のリスクが軽減でき、骨格的な問題も少ないため結果もより良好になります。